2018年1月16日火曜日

小著『江戸時代の小食主義』発刊のおしらせ



来月2月4日付で、小著
『江戸時代の小食主義・水野南北 修身録 を読み解く』
が、刊行の運びとなりました。
(花伝社刊・四六判・192頁・1,500円+税)

本日16日、無事校了とのこと。花伝社編集と製作のみなさまには、まことにお世話になりました。あらためましてお礼申し上げます。

また印刷と製本を担って下さる、中央精版印刷さまには、どうぞよろしくお願い申し上げます。

花伝社営業の方々のお手数もいただいて、数日前にすでにアマゾンで予約がはじまっておりましたが、装幀の生沼伸子さんに作成いただいた、重みもあり、また好奇心にも訴えてくるといった見事な書影も、本日アップされたようです。ありがとうございました。
(上記の仮の書影をクリック下さい。アマゾンのページにリンクしていて、そちらには書誌と書影があります。)

そのアマゾンのページにも全体の目次があり、
I部 水野南北の小食主義
・第一章 いのちと摂食
・第二章 摂食と立身出世の見定め
・第三章 摂食と人間関係の綾
・第四章 摂食とからだとこころ
・第五章 福禄寿の思想
II部 水野南北小伝──『修身録』の成立と南北その人
・・・関係書誌
大きな項目では以上の通りなのですが、詳細な目次は以下の通り。
(リンク先をご覧下さい)

『江戸時代の小食主義・水野南北 修身録 を読み解く』 詳細目次
http://kyoto1001.blogspot.jp/2018/01/blog-post.html

そして、「前口上」(まえがき)の一部を紹介いたしますので、どうぞご覧下さい。

 ・・・ 前口上(抄)
この書のテーマは小食主義、主人公は水野南北である。

水野南北は江戸時代の人。今から二百年とすこし前の京・大坂で『修身録』という書を著した。以下これを読み解くことで、南北の見識が現代にこそ有用であることを示したいと思う。(中略) 
主題は小食である。Ⅰ部の第一章「いのちと摂食」では、南北の小食についての思考を列挙する。やはりこの章がこの書の中心となるだろう。だがそれよりも先にほかの各章、またⅡ部の「水野南北小伝」から読んで下さってもかまわない。主題はあまねくあらわれる。
江戸時代の食と現代の食とは、これが同じ人類か、というほどもちがう。けれども食が人を養い、食によって人が生きることはすこしも変わらない。 

南北にはじめて接する人にとって、その食の警句、慎みのための警喩は、するどいおびやかしに見えるかもしれない。だがその一句一節には、かならずヒントが秘んでいる。

以上、取り急ぎの簡単な紹介ですが、小著一冊、どうぞよろしくお願いいたします。

今後、水野南北修身録や、南北先生その人につきましては、この
「京都の空の下から」
でも解説、案内を続けてゆきたいと存じます。

小著『江戸時代の小食主義』発刊のおしらせ

江戸時代の小食主義・水野南北 修身録 を読み解く

・・2018年2月 花伝社刊

江戸時代の小食主義 水野南北『修身録』を読み解く ・ 目次
・・・ 前 口 上 ・・・ 

Ⅰ部 水野南北の小食主義
・・・南北先生五十歳像(髷の像)

・・・ 第一章  いのちと摂食 ・・・

・・1 南北先生
・・・・・・南北の警喩
・・2 南北思想の鳥瞰図
・・・・・・・・
・・3 空腹と食味
・・・・・・小食と断食
・・4 南北の小食主義
・・・・・・小食の慎みと遊興と
・・5 小食について
・・・・・・小食の勧め
・・6 大食について
・・・・・・大食のもたらすもの
・・7 強食について
・・・・・・強食とこころの軋み
・・8 暴食について
・・・・・・いのちの長持ち
・・9 美食について
・・・・・・美食と心身の濁り
10 肉食について
・・・・・・獣肉と京
11 菜食について  
・・・・・・獣肉の滋養と野菜の効能
12 酒食について  
・・・・・・飲食と肥満
13 悪食について  
・・・・・・意食または識食
14 宿食について  
・・・・・・真の摂食
15 定食について  
・・・・・・食の波乱
16 麁食(粗食)について  
・・・・・・米と麦
17 献食について  
・・・・・・仏への捧げ物
18 犬鳴山奇譚
・・・・・・こころの献酒

・・・ 第二章  摂食と立身出世の見定め ・・・

・・1 立身出世について
・・・・・・身を治める
・・2 人間の発達発展について
・・・・・・出世のための元手と足代
・・3 食業について
・・・・・・白米と病
・・4 労役と食について
・・・・・・物を取るかそれとも事を取るか
・・5 人の助けについて
・・・・・・南北と論語
・・6 武家の食について  
・・・・・・鍛錬としての大食
・・7 分限について  
・・・・・・慎みと嗜み
・・8 実業と学問について  
・・・・・・儒者批判
・・9 僧の貴さについて  
・・・・・・真の念仏
10 開運の法  
・・・・・・修身録の底力
11「カゴの中のガマ」のおはなし  
・・・・・・立身のこころざし

・・・ 第三章  摂食と人間関係の綾 ・・・

・・1 主従君臣の絆ついて  
・・・・・・主の定め
・・2 名声について
・・・・・・声望と取るか家庭を取るか
・・3 李白について  
・・・・・・酒一日一合
・・4 高位との交わりについて
・・・・・・交際と気の驕り
・・5 人の表と内について  
・・・・・・外から見えぬ内の徳
・・6 家の因果について
・・・・・・家風家訓
・・7 倹約について  
・・・・・・当主の食と家の興亡
・・8 お金について
・・・・・・父母金銀のありがたみ
・・9 もったいないという考え方について  
・・・・・・食べるべきか捨てるべきか

・・・ 第四章  摂食とからだとこころ ・・・

・・1 養生法について
・・・・・・食と運命
・・2 朝日について
・・・・・・陰陽の賊
・・3 夜なべについて
・・・・・・夜仕事をする人のために
・・4 娯楽について
・・・・・・願望が天に届く時
・・5 薬について
・・・・・・発酵の不思議
・・6 心気について
・・・・・・いのちの長短と心気
・・7 血色について
・・・・・・血色のうつろい
・・8 腹八分目または節について
・・・・・・満腹の病理
・・9 屎について
・・・・・・ただひと口の施し
10 厄難について
・・・・・・厄除けの法
11 死について
・・・・・・老後に残す食と徳
12 野垂死について
・・・・・・恩から逃げ去ってゆく者

・・・ 第五章  福禄寿の思想 ・・・

・・1 神・儒・仏
・・・・・・天竺・唐土・日本
・・2 日本三社
・・・・・・大坂の思想風土と南北
・・3 天と地が人に与えてくれるもの
・・・・・・人に具わるもの
・・4 福禄寿
・・・・・・三神の三徳
・・5 寿を保つ
・・・・・・天と寿と食と
・・6 自福ということ
・・・・・・分限と慎み
・・7 食禄というもの
・・・・・・食の乱れは禄の乱れ
・・8 富のいしずえ
・・・・・・いたわりのこころと富
・・9 誠のこころと物の扱い
・・・・・・立居振舞の見極め
10 火と水の慎み
・・・・・・内側の徳と外側の徳
11 家格と応分の礼
・・・・・・泥中の玉
12 陰徳
・・・・・・身中の神
13 観相か善導か
・・・・・・人相の極意

Ⅱ部 水野南北小伝・『修身録』の成立と南北その人
・・・南北先生五十歳像(長髪の像)

・・1 鵺相者
・・・・・・観察力かそれとも人気か
・・2 密僧の説諭
・・・・・・南北と仏法
・・3 南北相法と門人一千人
・・・・・・相法からの逸脱
・・4 相法への懐疑
・・・・・・南北の活眼
・・5 予告編『修身録』
・・・・・・門人の書付
・・6 南北五十歳の肖像
・・・・・・二つの肖像
・・7『修身録』の完成
・・・・・・混乱の痕跡
・・8 住喜のはなし
・・・・・・住喜の抗議
・・9 南北と大坂と京と
・・・・・・正鐵の住込み
10 南北遺文
・・・・・・最後の筆跡
11 南北の享年
・・・・・・南北の父母

・・・・・ あ と が き ・・・

・・・・・ 関 係 書 誌 ・・・

・・・・南北相法
・・・・相法早引
・・・・修身録
・・・・・修身録の翻刻について
・・・・南北相法極意抜粋
・・・・亦生記
・・・・修身録から派生した書物
・・・・南北の訛伝に関するもの
・・・・南北の伝記またはその時代に関するもの